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第14巻第1号(2022)

職業イメージと喫煙行為に対する否定的評価に関する探索的検討

金田宗久

本研究の目的は,人々が特定の職業に対して抱くイメージを明らかにし,それらの職業に携わる人が喫煙することに対して抱く否定的な評価について検討することであった。本研究で取り上げた職業は,「看護師」,「医師」,「弁護士」,「保育士」,「フリーター」,「土木作業員」であった。それぞれの職業は,性別による違いも考慮された。大学生129 名の参加者は,各対象についてのイメージを「あたたかさ」次元と「能力」次元から評定し,さらに,各対象について喫煙行為の望ましさを評定した。調査の結果,職業イメージの差異が確認された。「あたたかさ」次元は保育士や看護師において高く評価され,一方で弁護士に対しては低かった。また,「能力」次元は,医師や弁護士において高く,フリーターや土木作業員においては低い評価がなされた。喫煙行為に対する否定的評価は職業と性別による違いがみられた。保育士,看護師,医師,また,男性よりも女性の喫煙は、望ましくない行為であるとみなされていた。特定の職業や性別に関わる喫煙行為が否定的な評価を生じさせることから,喫煙に対するステレオタイプが形成されやすいと考えられる。

キーワード:職業,喫煙行為,あたたかさ,能力,否定的評価

カンボジアにおける栄養計算ソフトウェア(CAM Nutrition calculation)の開発

堀内容子 草間かおる
 
目的:カンボジア王国(以下、カンボジア)には、公的機関が管理する国独自の食品成分表がなく、人々の食事評価をする場合、東南アジア食品成分表を利用している場合が多い。これまで、2000 年の東南アジア食品成分表をデータベースとして利用した栄養計算ソフトウェアが公益財団法人 国際開発救援財団により開発されている。しかしながら、2014 年の東南アジア食品成分表の改訂に伴うソフトウェアの更新は行われていないし、2013 年にSMILING プロジェクトが公開したカンボジア食品成分表の追補もされていない。そこで、改訂された東南アジア食品成分表に準拠し、カンボジア食品成分表を追補した栄養計算ソフトウェア(CAM Nutrition calculation) を開発することとした。
方法:プログラム開発に使用したPC のOS はWindows 10、Microsoft Excel で編集し、プログラム言語はMicrosoft Visual Basic for Applications を使用した。食品データは、東南アジア食品成分表(2014)とカンボジア食品成分表(2013)のデータをMicrosoft Excel 上のデータベースに変換して使用した。システム構築後、動作を確認し、修正・改善した。
結果:2021 年に開発した栄養計算ソフトウェアは、17 食品グループおよび全710 食品から食品を選択し、食品重量を入力することにより、エネルギーと20 種類の栄養素が自動計算できる。食品選択の方法は、食品グループから検索する方法と食品名から検索する方法を構築した。
結論:カンボジアで使用可能な栄養計算ソフトウェア(CAM Nutrition calculation)を開発した。本ソフトウェアがカンボジアの給食や食事療法、食事調査の解析、食事評価等で役立つことが期待される。今後も東南アジア食品成分表の改訂とともに本ソフトウェアの改訂が必要である。

キーワード:栄養計算, ソフトウェア, カンボジア

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